作者別: vaiodiver25

建築家がベトナムで働く理由

2012年秋、私はロンドンの建築専門学校に通っていた頃、ベトナムで起業する友人からベトナムで建築家として働くことを勧められました。憧れのロンドンということもあり、一度は断ってしまいましたが、3年後に再び誘われ2016年より友人の会社に雇われる形でベトナムで建築家としてのキャリアを再スタートしました。
一度は断ったベトナム就職を、なぜ東南アジアのシンガポールやタイではなくてベトナムを選んだのでしょうか。一つは友人がいて誘われたのも大きいですが、他にもあります。

1)活動
ポストVVVVIIブームの経済成長に沸くニューヨークとシカゴで働けば、こんなに楽しいことはなかったでしょう。ロンドンもすごい、産業革命の時代なら、ロンドンで働いたかも知れません。シンガポールではお金にものを言わせたようなビッグプロジェクトが計画され進行されています。ベトナムも大きな計画がありますが建築デザインとなると微妙です。しかしベトナムは商店建築、いわゆる内装においてこれからという時期です。日本人社長で有名なピザ屋4pc(フォーピース)などがおしゃれな内装なのもあってお客さんが多く入っています。このことから、内装デザインをメインにやってきた私としては活動をここに移してもチャンスがあると考えました。

2)人々
アジアは急速に発展していて、街は人で混み合い、世界で最も騒々しくなっています。そしてここの人々には家をたて、公共のインフラと交通網を築き、その利益の恩恵を皆が享受しています。市場はとにかくデカイです。アジアの中高所得層が急激に増えてケタ外れの経済成長を後押ししているのですね。今は商店の内装デザインがメインですが、そのうち大富豪のお家をデザインできる日が遠くないと考えています。

3)スピード
アジアの建設ラッシュはまさにクレージーな勢いです。雇い主がハイピッチで公共サービスの充実を勧め、世界基準で10年もかかる仕事をアジアでは安い労働力を使って数年で実現します。言い換えれば私は5年間のキャリアでプロジェクトをいくつも完遂できるのです。

4)お金
バブル景気となっているベトナムにおいて、商店建築の場合の予算は青天井で、質の良いデザインや市場性によりお金を費やしています。政府もデザインの価値を認め始め、都会性を発展させて世界的に街が知れ渡ることに関心を示しています。

ベトナムの建築と都市化への情熱

この30年間でベトナムの都市開発は急速に進んでいます。ベトナム・プラス誌の指標によると、2009年には629の都市エリアの中で19.6%の開発率でしたが、2016年度では802の調査対象において36.6%の数値を示しています。

ロンリー・プラネット誌によると、ホーチミン市がその典型で、商業と文化の「ハイオクタン都市」と称されています。

街案内のガイドブックには「ホーチミンの建物は、フランス植民地時代のものから近代の鉄とガラスのモニュメントを組み合わせて進化させたものです」と記載されています。「最高の観光名所はフランス植民地時代、インドシナの真珠と呼ばれた当時のサイゴン市に遡ります。その時から文化遺産が次々と加わり、いまは近代建築の要素が味付けされているのです」

この街のデザインは急速な国際化に伴って創造的で目を引くものとなっています。首都にそそり立つビルの中にあって特に目を引くのがRMITベトナムデザイナー専門大学です。この大学では街そのものを生きる図書館と捉え、急成長する都市の中で学生たちの知識と専門性を育てています。

「RMIT大学では世界水準の教育と国際的な環境を提供します。オーストラリア・メルボルンに広大なキャンパスを持つRMIT大学の姉妹校なのです。」大学はPRし、卒業生たちがイノベーティブな仕事をしていることを強調します。

1990年に開校して以来、RMITは地域に根ざした活動を展開しています。冒険的な演習と差別化の観念の元、今年は建築修士の名誉ある学位を新設しました。これは実社会の経験とデザインの実績を兼ね備えた学位です。メルボルンキャンパスのプロ育成プログラムで育った生徒たちは、2年間の教育課程で更に受賞歴のある建築理論と一流の学問を、地域を海外のパートナーのと革新的かつ現実的な生活とコラボしながら学ぶのです。

RMITの建築修士課程はこの分野の他のプログラムと異なり、単に技術を追求するものではありません。あらゆる文化の素養を持つ経験豊富な指導者がアジア建築の旅を主導します。オプションでホー・チミン、バルセロナ、メルボルンで学ぶことができるこの課程は国際社会で研究と体験の本質を実現する独特のもので、比類なき素晴らしさです。

研究分野と並行して、RMITは建築修士課程を一流のPhDのプログラムにも組み込んでアジア全体のデザイン界に関わろうとしています。

RMITメルボルンキャンパス卒業で傑出した建築修士のタン・ヒュン氏は「ベトナムの都会の情景は独特で、ペースが速く、色彩、音、匂い、生活感に満ちている」と表現します。「この街の文化の多様性はまた、RMITベトナムの生徒たちのデザイン思考や素材とアイディアを発展させるインスピレーションに満ちています。」

「RMITの5年間で私が学んだ最大の成果は、『グローバルに学び、ローカルに活動する』です。ベトナムに戻って新たなキャリアを積む時に、この考えが活きました。」「国際的視野で知識とアイディアを吸収し、スキルを地元で展開することは、本当に役に立ちました。地元の才能を世界の知見で伸ばすことができたことを誇りに思いますし、その後の成長の大きな糧になったのです」

ホーチミンは急速に発展しつつ、自然体で建築デザインの中心地になることでしょう。RMITのように体験演習を推進する教育機関の卒業生たちが、この街の先頭に立って発展をリードしていくことでしょう。

ベトナムで建築家として働くことは可能か?

建築業は他の仕事に比べて海外で働きたい人が多い職業だと思います。私も若い時は北欧やアメリカ(ニューヨーク)への憧れが強かったです。実際、ニューヨークとロンドン、スウェーデンには短期ながら留学と称して、働いたことがあります。
ベトナムで働き始めたきっかけは、ベトナムで不動産業と飲食店を経営している友人から、「内装施工関係のニーズが凄いよ」と言われ、ベトナムへやって来ました。会社を立ち上げるのでも良かったのですが、金銭的な事由から友人が設立した会社に雇われ社長として現地採用となりました。

このブログにたどり着いた人は海外で建築関係の仕事にたどり着いた人ばかりだと思いますので、今回は海外で建築関係の仕事の探し方などについて説明いたします。

ベトナムのことがメインとなりますので学生の方には優良な情報が含まれていないかと思います。それはベトナムで働くには労働許可証の取得が必要となります。その取得条件が大学卒業以上で就労経験3年以上と言うことが決まっているためです。また専門学校を卒業した場合は、建築関係の学校であれば4年以上の就労経験があれば就労許可を取得できるのですが、そうじゃない場合はワークパーミットの関係で就職が難しいか買い叩かれることがあります。

では、本題にへと入っていきます。

建築家が海外で就職や転職する方法は大きく分けて3つで①コネ②運③紹介会社です。

①のコネは、今回の私のように友人や知人が海外で働いていたり、会社を立ち上げたりしていれば、転職することが可能となります。ベトナムに来る前に3回、海外で働いた時は全てコネでした。その時のコネは、ニューヨークでは専門学校に通い、ロンドンでは語学学校に通い、スウェーデンでは見本市など知り合ったスウェーデン人に頭を下げるといった感じでした。コネを利用する場合は、待っているだけでなく行動力も必要です。

②の運は、働いている会社が海外に支店を出したり、海外支店への赴任だったりですかね。ただ、これは駐在員となるので、転職というわけではないですが。

③の紹介会社とは、現地にある人材紹介会社やエージェントを利用するということです。コネがなければ、現地(今回だとベトナム)にある人材紹介会社や転職エージェント会社を利用し、彼らが持っているコネを利用させてもらいましょう。
普段、ベトナム人の従業員を紹介してもらっておりお世話になっている人材紹介会社さんが日本人の紹介もされているということでしたので2つリンクを貼っておきます。

人材紹介会社 キャリアリンクベトナム
https://kyujin.careerlink.asia/vietnam

人材紹介と通訳・翻訳派遣専門サービス J−SAIGON
http://jsaigon.vn/?lang=ja

最後に私がベトナムや東南アジアでの建築関係の転職を薦める理由は、活気があり成長力がすごい土壌なので日本では会えないような人とも会え、一緒に仕事をすることが出来ます。これが何と言っても魅力です。そして周りに比べれるような同業者が少ないので信頼を得ることが早く、結構なんでも好きなことをさせていただいています。なのでチャンスがいっぱいあるように感じています。

日本ペイントがデザイン・建築物コンテストを行っている件について

日本ペイントがデザイン・建築物コンテストである「アジアの若手デザイナー賞(AYDA)」が行われています。

日本ペイントはアジアNo1のペンキメーカーなのは有名だとは思います。私がベトナムで務める施工会社も、日本ペイントはお付き合いがあります。こちらでも結構有名です。先日、ホーチミンの中心部を歩いていたら、工事現場の壁に大きな看板がありました。

このコンテストは、アジア地域から建築デザイナーと設計者を育成すると言うプロジェクトで主にインドを含むアジア地域(15カ国)が対象となっています。また建築と内装デザインの才能ある学生を発掘することを目的としています。
このコンテストに入賞すれば1000ドルとマレーシア留学の副賞がつきます。

最後に日本ペイントについて説明いたします。日本ペイントはアジア最大のペンキメーカーですが、駐在員の方だけでなく現地採用の日本人も採用されている会社です。私もすごくお世話になっております。
日本ペイントは135年の歴史があり、アジア1のペイントメーカーと言うこともあり世界のトップメーカの一つです。高品質のペンキと塗装技術を持ち、装飾、産業機械、自動車分野で事業を行っています。何年もかけて、日本ペイントは技術革新により、イノベーションと環境保護を主眼とした製品を生み出し続けています。技術革新によって、同社は消費者と社会に
貢献しています。子会社を含め同社は日本、シンガポール、マレーシア、韓国、中国、インド、パキスタン、イギリス、ドイツ、ギリシャ、ロシア、ベトナムなど31カ国に展開しています。

家具の輸出は基準を満たすこと

「家具の輸出業者は今後、輸入する諸国のより厳しい規則と基準を認識しなければならなくなるでしょう。」
先日、ホーチミン市で開かれたセミナーで、代表者が述べました。

ホーチミンの手工業と木材産業協会の代表 ユー・バン・ハン氏が、「自由貿易協定の合意で関税障壁が無くなったあとは、技術の障壁が新たに立ちはだかる」と言いました。「木材保護の法規制を守るだけでなく、家具製造業者は製造・貿易・安全・制作物において社会的責任にもっと留意しなければならない」と彼女は続けます。「生産者は最後の仕上げに使うホルムアルデヒド、樹脂、木材、仕上げの塗料などが認可された基準を守ることを保証しなければならないのです。」「各市場でそれぞれの基準がありますから、売り手はその要求一つ一つを理解しなければなりません」

安全機関(UL)環境部で化学物質を管轄するスコットステディー氏によると、アメリカには消費者保護のために厳しい決まりと基準があります。

2010年6月、木工生産のホルムアルデヒド基準が有害物質規制法(TSCA)の一部に組み込まれました。そして同月、アメリカ環境省がTSCAに則った決まりを公表しました。

ホルムアルデヒドは無職で室温でも発火するガスで、強い毒性を持っています。ホルムアルデヒドに触れると肌、目、鼻、喉に異常をきたします。さらに過剰摂取すると、ガンの原因にもなります。ホルムアルデヒドがよく使われるのは、産業樹脂、接着剤でそれらは木材加工で使われることがあります。

加えて、アメリカには厳しい安全ルールと基準があって、CPSCルールや産業界で取り決めた基準を満たさないものはリコールされます。

ULの家具家財部門の国際取引部門長 ガスプ・バリザン氏によるとこの2年間で37,00の椅子・アウトドアグッズなどを含む地場製品が規格外だったため、リコールされています。リコールされるとブランドを傷つけ、弁護士費用や事態収拾により多額の費用がかかります。生産者は決まりと基準を理解し、輸出の際は逸脱しないように注意を払わなければなりません。またリスク回避のためには、検査基準を厳しくし、リスク判定の検査をし、第三者の検査を受ける必要があるでしょう。

ベトナム商業産業議会の会長・パム・ティー・ツ・ハン氏によると、「ベトナムの自由貿易対象が多方面にわたるため、木材産業は品質を強化しなければなりません。環境に優しい製品を好む消費者に受け入れられるためには、地方の生産者たちはグリーンガードの認可を受けたり、マーケティングを強化したり、ブランド力を高めたりする努力が必要」と、彼女は主張します。ハン氏によると、ベトナムは木工品輸出では世界5位にランクされています。

昨年は6,900万ドルの木工品輸出高があり、今年は7,500万ドルに増えると見込まれています。

1年の木工品の世界取引総額は4,670億ドルあり、ベトナムはその1.65&を占めるに過ぎません。従い輸出を増やす余地はまだまだあるのです。

しかし、新規市場開拓には技術進歩と、品質の認可を受けることに注力しなければなりません。

海外で働くまでの準備として

あなたは海外で働きたいですか?
あなたは正しい場所にいるという理想理想主義者は世界中で多くのチャンスを得ています。まずは、あなたが働きたい国を見つけてください。そして何の仕事をしたいか考えてください。
これらが出来ると、これからの内容がとても参考になると思います。

仕事を探す前に知っておくべきこと

自分自身の母国語以外の言語レベルがどれぐらいか。英語であれば指標を計ることが良いです。例えばTOEICなどの試験を受けるとかです。TOEICが600以上あれば、仕事の幅が広がります。面接時には日常会話以上で話せないといけません。

就労ビザの取得条件をクリアしているかどうか。これについては、ほとんどの場合大卒であれば問題ないです。ただ新卒だと厳しい場合もあります。

現地での給料相場がいくらか。東南アジアはシンガポールを除けば、日本でもらっている給料と同じ額をもらえる職種は限られています。私が知る限りITエンジニアか医者くらいしか思いつきません。もしくは日本でも有数のブラック企業で相場の賃金の半分以下で働いていた場合です。それくらい、日本よりも給料が上がるケースというのは稀と言うことです。

どのようなスキルが必要かを知ること

先述した内容と重複しますが、必要なスキルとして言語があった場合は言語の習得が必要になると思います。それ以外の資格が必要な場合は、現地で取得できるモノであれば現地で取得しても良いですが、現地の言葉ができなければ取得できない場合が多々あります。

働きたい国のことを知る

ベトナムのことを知ることが重要です。地球の歩き方に書かれているような一般的な情報だけでなく、現地在住者のブログなどを読んで生活情報などを知ることが重要です。特に気候などの知識は必要です。働く前に得られる情報の多くを調べておくと、滞在を始めると非常に便利です。

短期海外研修・インターンシップなどに参加する

ギャップイヤーであったり、大学生活であったり、時間に余裕があれば短期間の海外研修やインターンシップなどに参加することをお勧めします。それは実際の生活だけでなく、働かないと得られない情報をえることが出来ます。
またやりたい仕事の日本との違いを理解することも出来ます。

螺鈿細工のメーカーの悩み③

「中国人だけが最高級の材木を買い付けるけど、ラオスやカンボジアでは取れなくなっているね」

伐採規制が機能しているも言えますが、そもそもかつてほどのローズツリーがなくなってきているのかも知れません。

世界食糧農業機構(FAO)によると、1990年はカンボジア国土の73.3%が森林に覆われていたそうです。しかし2015年のその数値は53.6%にまで落ちています。フック氏は「森に行ってもローズツリーはもうありませんよ。タイの保護地区にでも行かない限りね。供給されなくなったということですよ」と言います。世界資源機構の報告では2001年から10年の間にカンボジアの樹木は世界で最も速く減っていて、ゴムのプランテーションにとって変わられています。

理由はともあれ、資源はかつてほど豊かではなくなっているので、ドンキーの工房主達は他の市場へ進出したがっています。

「計画ではヨーロッパ市場を目指すことになっていますが、工場の環境はヨーロッパの基準にあっていません。製品だけではなく、労働力と労働条件がセットになってなければいけないのです。中国並みのシンプルな条件だったら転換も楽なんでしょうけど」

これはヨーロッパでは常識的で、2013年ベトナムがヨーロッパに輸出したのはわずか5%で、拡大が望まれます。

2015年秋、ベトナムはEUとVPAの締結交渉へ乗り出しました。VPAはEUとその他の国との間で結ばれる包括的貿易合意のことです。これが合意すれば、ベトナムの木材と加工技術のヨーロパ輸出が合法的に許可されます。

そのような許可をFLEGTと言います。現在のところインドネシアだけがその免許を持っています。この仕組みが機能すれば森林は保護されますが、ナン氏は、自分の小さな工房ではその基準を満たせないと思っています。

「もしFLEGTが国内で適用されると、うちみたいな村はみんな問題になってしまう。」ドンキーの蚤の市や工場はこの点を強調します。実際ナンの工場は機械と木屑に溢れていて、中国人が高級家具の完成品にしか興味がなく作業工程を全く気にしないことが解ります。

結局ナン氏の仕事は闇に包まれたままです。規制と資源の枯渇で中国向けの高級素材は手に入らず、EUに売るための法的基準を満たすほどの品質も保てません。ベトナム国土の1,400万ヘクタールは森林ですが、370万ヘクタールはアカシアと
ユーカリのプランテーションです。これらは高級家具には使えません。

EIAの推進責任者、ヤゴ・ワドリー氏はEUとの合意がこの状況を改善するのか懐疑的です。

「EUとベトナムが11月にハノイで合意した内容は、ベトナム国内市場から違法木材を締め出す代わりに、EUから輸出許可をもらうものになっています。」

ワドリー氏によれば、VPAの最も重要なポイントは合意されておらす、すべてはベトナム政府が取り決めをどれだけ厳格に遂行できるかにかかっているのです。

「理屈ではベトナム政府が約束した決まりが可能ですが、もし実際に実行すれば組織的に大量の違法木材を国内市場から動かさなければならないのですよ。」

これは現在のドンキー村の仕事のやりかたを根底から引っくり返すものです。合法な木材を調達しなければならないのです。
「しかしこの理屈はどこかをモデルにで実行しなければならないでしょう。政府が本当に違法木材の流入を防ぐ気があるのか、その能力があるのかを示すためにも必要です。」

その実行役は違法木材の財源や汚職の鍵を握る森林省の監視に委ねられます。

ドンキー木材協会のヴン氏は中国を排除してクリーンな取引に向かわなければならないことは分かっています。彼は町全体に大きな投資を望み、零細工場でも技術を進化させてより基準の厳しい市場にも耐える品質のモノを作らせるべきと考えています。

「資源を移すことでリスクは減り、より安全になる。そして合法的になる」彼は言います。

螺鈿細工のメーカーの悩み②

2015年の国際貿易会議で、約300種類のローズウッドが取引規制の対象になりました。
2015年5月の米国調査団のレポートによると、ローズウッドが最も闇取引されていて、2005年から2014年までの押収物の35%を占めていました。末端価格にすると象牙、センザンコウ、サイの角、ライオンやトラの剥製よりも高額だったのです。

今ではこの樹木の取引規制の大半は解除される傾向で、2017年度にはベトナム産の大半が対象になるでしょう。

ドンキーの工房ではローズウッドなど希少な木材から作られており、規制強化の知らせはとても悪いニュースでした。しかし賑わう木材市場では、この規制の効力がどこまで利いているかは不透明です。ドンキーのビジネスが木材の縮小のピンチにさらされている一方、潤沢なローズウッドは今でもベトナム市場に流れ込んでいます。非営利団体職員の一人は「ラオスやカンボジアで輸出禁止になっている木材が以前としてベトナムに流れているのは明らかです」と指摘します。

とても慎重に言葉を選びつつ彼が教えてくれたのは「汚職とか腐敗と言われる手口で、これらは国内に入り込んでいるのです」とある調査の見積では2015年前半の調査では11,500万相当の木材とローズウッドの丸太がカンボジアから流入したと指摘されています。これはフンセン首相による密猟の弾圧宣言や新たなローズウッド輸出規制にも関わらず、起こっている事実です。

この政策は2015年初頭に有効となり2,500万ドルの取引は1月にたった340万に減少しました。しかし5月には1,300万まで戻って冬までこの増加傾向は続きました。これは国境沿いの有力勢力の存在を浮かび上がらせます。例えば政府の調査が入ったとしても、弾圧が終わるのを待っているだけなのです。そしてこのデータは公表されていません。

「我々は国営木材産業連盟に5年間協力して輸出調査をオーソライズし、このデータを入手できるようになりました。これをベトナムだけでなくラオスやカンボジアの政府にも渡して浄化を目指します」

ドンキー地方市場に隣接して、様々な大きさに切られた丸太が積み上げられています。この地域の木材商人はとても活き活きと仕事をしてるようです。バイクや3輪車が狭い小道を走り回って木材を積み込み、取引に奔走しています。

木材の大半はトラック(ローズウッドのベトナム語)と呼ばれ、ラオスとカンボジアから運び込まれます。先日訪問したときは仲買人達は違法取引のことを気にしている様子はありませんでした。政府が調査している様子もありませんでした。

現場責任者は「合法なのも、違法なのもある」と説明します。「全部を調査はできないし、誰も管理してないからわからないよ。ここには公的な管理組織なないからね」しかし森林省の意見は異なります。「木材の輸出入管理の法的管理の仕組みはあります、最大の問題は、この仕組みが現場に浸透していないことなのです」政府の連合組織体が木材の出入りを管理しています。国境だけが財務省、森林省、国境警察、農業地方開発省、厚生省の入り混じった組織が監視しているのですが。

役人によるとカンボジアの国境を越えて木材を持ち込むにはドンキーのような加工拠点の輸入業者が種類・量・購入価格のリストを持ってる決まりです。さらにカンボジアの業者との契約書の写も必要なのです。

木材がドンキーに到着したら国境警察の代わりに役人が木材の適正をチェックします。しかし、現場責任者の言うとおりで、実際は検査はほとんど行われていません。

「私は政府の役人とも話をし、地元住民の生計を見守ると言われてきたんだ。この町は長年こうしてやってきたんだし、この町の経済に問題を起こしたくないんだ」

しかし、政府の介入がないにしても、この地方の経済は困窮しています。快活な中年女性に聞いていみると、この地域の仕事は徐々に減っているようです。「昔から彫刻の村がここにあって、何でも手に入ったわよ」。競合がないのに質の良い木材は手に入りにくくなり、売り上げ減を嘆いていました。

「数年前は一年で45,000ドルから90,000ドルの売り上げがあったわ」彼女は世界銀行の統計、平均2,000ドルの年収を引き合いに出して言いました。「でもここ何年かは22,000から27,000ドルってとこね」。彼女の年収を証明するものはありませんが、木材を単価2ドルで売り、アメリカの輸出が収入源のようです。

ドンキーで木材加工を営むチュ・バン・ナン氏も同様の苦しさを打ち明けます。彼が座る居間の壁には、ホー・チミン、マルクス、レーニン、エンゲルスの肖像が並び、大型テレビには大鋸屑からスクリーンを守るビニールかかぶせてありました。

「数年前は20人の職人を雇っていたけど、今は4人だよ。中国に売るだけで良かったけど、材質は悪くなってるね」そして彼は付け加えました。「世界で最も貴重な掘り出し物を探しに来る中国人に釣り合う品質のものは、もはや存在しない。」と。

螺鈿細工のメーカーの悩み

ベトナムの高級木材螺鈿細工職人は、法規制と森林破壊に悩んでいます。

東南アジアでは希少で高価な木材が不足し始めて、ベトナムの老舗的メーカーはEUに輸出する活動にシフトするプレッシャーに直面しています。ドンキーという村の小さな工房では、ローズウッドなど希少な硬い木材を加工していますが、70%もの輸出を中国に頼っています。ベトナムのローズウッドは東南アジアの近隣諸国から仕入れていますが、森林開発によって徐々に小さくなっています。

現在、規制が厳しくなっているにも関わらず、2016年の前半にはカンボジアからベトナムに11,600万ドルもの丸太とローズウッドが流入しています。規制法は前からあるのですが、法制強化はまだまだです。EUの森林法規制とのVPA交渉はまだ途上ですが、EUとの材木取引はより管理された状態を目指しています。

ベトナムの首都ハノイから45分ほども走れば、大工の街ドンキーに着きます。そこではノコギリが木を切る騒音に負けないように会話をしなければなりません。あちこちで木屑が滞留し、数時間もすれば喉が荒れてきます。家具のショールームでは目を疑うほど精巧な彫刻を施したテーブルと椅子が、10,000ドルの価格帯で展示され、工場が目抜き通りの左右と路地を埋め尽くしています。

伝統的な手彫りの家具の大半はシャムのローズウッドが原料で、この街は木材産業が秩序を形成しているのです。その規模はとても大きく、2015年の木製家具の輸出は73億に昇ります。ドンキーの生産工場は中国の巨大市場にしています。中国との国境わずか200マイルのロケーションは、金持ちの仲買人相手に伝統工芸を売り渡す最高のポジションです。

しかし、事情は複雑です。大半の資源はラオスやカンボジアが頼りですが、シャムのローズウッドは絶滅危惧種になっており、公的には商取引としては既に終了扱いなのです。ドンキー木材連盟の現場責任者ヴ・コック・ゴン氏によると、ここで生産される家具の70%は中国向けです。残りは国内で売買されます。実生活では固くてとても使えないのですが、どちらの国でもこの家具がステータスを表しているのです。2014年には中国で240億ドルもの売上を記録し、ベトナムが第二位の売上高です。

ドンキーだけで200もの会社が取引をしていますが、大半は零細で、家族経営も珍しくありません。連盟では2020年までに会社数を1000に増やしたいとしています。そのような急激な成長は現状ではありえない巨額な投資が必要です。しかし、家具生産者たちにとっては、ブランドを支える原材料の入手がもっと大変な問題なのです。

「最近は中国の木材需要は高まる一方ですが、ベトナム、ラオス、カンボジアの規制も強まるばかりなのです。」責任者のゴン氏は言います。東南アジア全体の規制強化と、ローズウッド材保護のために国際的な違法取引の取締の動きについて話してくれました。

日本の木工品の輸出が伸びている

今年度の日本製木工品の輸出が伸びています。上半期の丸太の輸出量は479.141cbmで、前年同期比51.2%増で、木材は62,557cbmで58.6%の増です。中国が最大の丸太の買い手で、フィリピンが木材の主要な取引先になっています。

農林水産省は2020年までに管轄産業の輸出目標を1兆円と掲げました。森林資源に関しては2016年の輸出目標が250億円に対し、274億円と実績が上回りました。次の目標は合板や建材用に加工された丸太の輸出増ですが、そのためには新市場の開拓が不可欠です。

同省は中国、韓国、台湾、ベトナム向けの輸出に予算の一部を充当しました。特に日本製の建材を、中国の日本風住宅の素材に生かせるようテコ入れします。日本木材輸出推進協会は、モデルハウスの建設やコンドミニアムの木製調度品の展示、セミナーの参画などを活性化します。

9月16日には吉野杉と秋田杉の高級木材を使った65平米の茶室をモデルハウスとして公開しました。日本風の癒し空間に対する需要はあるものの、中国では価格がネックとなって簡単に受け入れられるかは不透明です。

日本の檜は韓国で人気があり、高い効能があると考えられていて、家具や内装素材として高い需要があります。ソウルでアンテナショップが8月にオープンし、檜のベッドや調度品が売られています。日本式の住宅は中国よりも韓国での輸出が多く、あらかじめ日本で加工された木材の輸出が伸びています。

台湾は日本製の合版に興味を示しています。ベトナム市場はあまり知られていませんが、ヨーロッパ向けの家具の輸出が多く、素材の需要が高いので主要な取引先に成りえます。アメリカ向けには、西部の赤杉の不足を補うために、垣根の材料として杉の丸太が輸出されています。