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建築家がベトナムで働く理由

2012年秋、私はロンドンの建築専門学校に通っていた頃、ベトナムで起業する友人からベトナムで建築家として働くことを勧められました。憧れのロンドンということもあり、一度は断ってしまいましたが、3年後に再び誘われ2016年より友人の会社に雇われる形でベトナムで建築家としてのキャリアを再スタートしました。
一度は断ったベトナム就職を、なぜ東南アジアのシンガポールやタイではなくてベトナムを選んだのでしょうか。一つは友人がいて誘われたのも大きいですが、他にもあります。

1)活動
ポストVVVVIIブームの経済成長に沸くニューヨークとシカゴで働けば、こんなに楽しいことはなかったでしょう。ロンドンもすごい、産業革命の時代なら、ロンドンで働いたかも知れません。シンガポールではお金にものを言わせたようなビッグプロジェクトが計画され進行されています。ベトナムも大きな計画がありますが建築デザインとなると微妙です。しかしベトナムは商店建築、いわゆる内装においてこれからという時期です。日本人社長で有名なピザ屋4pc(フォーピース)などがおしゃれな内装なのもあってお客さんが多く入っています。このことから、内装デザインをメインにやってきた私としては活動をここに移してもチャンスがあると考えました。

2)人々
アジアは急速に発展していて、街は人で混み合い、世界で最も騒々しくなっています。そしてここの人々には家をたて、公共のインフラと交通網を築き、その利益の恩恵を皆が享受しています。市場はとにかくデカイです。アジアの中高所得層が急激に増えてケタ外れの経済成長を後押ししているのですね。今は商店の内装デザインがメインですが、そのうち大富豪のお家をデザインできる日が遠くないと考えています。

3)スピード
アジアの建設ラッシュはまさにクレージーな勢いです。雇い主がハイピッチで公共サービスの充実を勧め、世界基準で10年もかかる仕事をアジアでは安い労働力を使って数年で実現します。言い換えれば私は5年間のキャリアでプロジェクトをいくつも完遂できるのです。

4)お金
バブル景気となっているベトナムにおいて、商店建築の場合の予算は青天井で、質の良いデザインや市場性によりお金を費やしています。政府もデザインの価値を認め始め、都会性を発展させて世界的に街が知れ渡ることに関心を示しています。

ベトナムの建築と都市化への情熱

この30年間でベトナムの都市開発は急速に進んでいます。ベトナム・プラス誌の指標によると、2009年には629の都市エリアの中で19.6%の開発率でしたが、2016年度では802の調査対象において36.6%の数値を示しています。

ロンリー・プラネット誌によると、ホーチミン市がその典型で、商業と文化の「ハイオクタン都市」と称されています。

街案内のガイドブックには「ホーチミンの建物は、フランス植民地時代のものから近代の鉄とガラスのモニュメントを組み合わせて進化させたものです」と記載されています。「最高の観光名所はフランス植民地時代、インドシナの真珠と呼ばれた当時のサイゴン市に遡ります。その時から文化遺産が次々と加わり、いまは近代建築の要素が味付けされているのです」

この街のデザインは急速な国際化に伴って創造的で目を引くものとなっています。首都にそそり立つビルの中にあって特に目を引くのがRMITベトナムデザイナー専門大学です。この大学では街そのものを生きる図書館と捉え、急成長する都市の中で学生たちの知識と専門性を育てています。

「RMIT大学では世界水準の教育と国際的な環境を提供します。オーストラリア・メルボルンに広大なキャンパスを持つRMIT大学の姉妹校なのです。」大学はPRし、卒業生たちがイノベーティブな仕事をしていることを強調します。

1990年に開校して以来、RMITは地域に根ざした活動を展開しています。冒険的な演習と差別化の観念の元、今年は建築修士の名誉ある学位を新設しました。これは実社会の経験とデザインの実績を兼ね備えた学位です。メルボルンキャンパスのプロ育成プログラムで育った生徒たちは、2年間の教育課程で更に受賞歴のある建築理論と一流の学問を、地域を海外のパートナーのと革新的かつ現実的な生活とコラボしながら学ぶのです。

RMITの建築修士課程はこの分野の他のプログラムと異なり、単に技術を追求するものではありません。あらゆる文化の素養を持つ経験豊富な指導者がアジア建築の旅を主導します。オプションでホー・チミン、バルセロナ、メルボルンで学ぶことができるこの課程は国際社会で研究と体験の本質を実現する独特のもので、比類なき素晴らしさです。

研究分野と並行して、RMITは建築修士課程を一流のPhDのプログラムにも組み込んでアジア全体のデザイン界に関わろうとしています。

RMITメルボルンキャンパス卒業で傑出した建築修士のタン・ヒュン氏は「ベトナムの都会の情景は独特で、ペースが速く、色彩、音、匂い、生活感に満ちている」と表現します。「この街の文化の多様性はまた、RMITベトナムの生徒たちのデザイン思考や素材とアイディアを発展させるインスピレーションに満ちています。」

「RMITの5年間で私が学んだ最大の成果は、『グローバルに学び、ローカルに活動する』です。ベトナムに戻って新たなキャリアを積む時に、この考えが活きました。」「国際的視野で知識とアイディアを吸収し、スキルを地元で展開することは、本当に役に立ちました。地元の才能を世界の知見で伸ばすことができたことを誇りに思いますし、その後の成長の大きな糧になったのです」

ホーチミンは急速に発展しつつ、自然体で建築デザインの中心地になることでしょう。RMITのように体験演習を推進する教育機関の卒業生たちが、この街の先頭に立って発展をリードしていくことでしょう。

日本ペイントがデザイン・建築物コンテストを行っている件について

日本ペイントがデザイン・建築物コンテストである「アジアの若手デザイナー賞(AYDA)」が行われています。

日本ペイントはアジアNo1のペンキメーカーなのは有名だとは思います。私がベトナムで務める施工会社も、日本ペイントはお付き合いがあります。こちらでも結構有名です。先日、ホーチミンの中心部を歩いていたら、工事現場の壁に大きな看板がありました。

このコンテストは、アジア地域から建築デザイナーと設計者を育成すると言うプロジェクトで主にインドを含むアジア地域(15カ国)が対象となっています。また建築と内装デザインの才能ある学生を発掘することを目的としています。
このコンテストに入賞すれば1000ドルとマレーシア留学の副賞がつきます。

最後に日本ペイントについて説明いたします。日本ペイントはアジア最大のペンキメーカーですが、駐在員の方だけでなく現地採用の日本人も採用されている会社です。私もすごくお世話になっております。
日本ペイントは135年の歴史があり、アジア1のペイントメーカーと言うこともあり世界のトップメーカの一つです。高品質のペンキと塗装技術を持ち、装飾、産業機械、自動車分野で事業を行っています。何年もかけて、日本ペイントは技術革新により、イノベーションと環境保護を主眼とした製品を生み出し続けています。技術革新によって、同社は消費者と社会に
貢献しています。子会社を含め同社は日本、シンガポール、マレーシア、韓国、中国、インド、パキスタン、イギリス、ドイツ、ギリシャ、ロシア、ベトナムなど31カ国に展開しています。

ベトナムの建築家が国際的な賞を受賞

ハノイに拠点を置くHPA社(H&P Architects)が、竹と木材を素材にした建築物で国際建築コンテストで金賞と銀賞に輝きました。

H&P Architects
http://www.hpa.vn/

2Aマガジン主催による国際建築コンテスト2017の審査員が、今年の受賞者を発表しました。38カ国550のエントリー作品から決勝に220の作品が残り、7つの部門で31のデザインが受賞しました。審査員には、ナダール・アーダラン、シリッシュ・ベリ、岸和郎などの著名な建築家が名を連ねます。

HPAの作品「BE Friendly Space」はマオケーの石炭採掘エリアの集会所としてデザインされたものですが、パブリックスペース部門でアジアのエントリーの中から一等賞に選ばれました。

作品名(BE)は素材の「Bamboo」と「Earth」の頭文字をとって名付けられました。マオケーの中心部にあるこの建物は、地域のイベントに幅広く使われています。

設計者のドン・タン・ハ氏によると太さ40センチの壁を地中に打ち込み、緑の細胞のようなパターンの模様を作り出しています。オープンスペースの間にははランダムに窓が設置されています。天井には竹が配置されて光と空気がほどよく通り、建物が風景に溶け込むような外観に仕上がっています。

ベトナムでもっともポピュラーな街、マオケーの湿った空気を背景に、4つの大きな多目的ルームがあります。キッチン・サービスエリア・洗濯室と家具がある部屋です。