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ベトナムはアメリカを除く関係国でTPP交渉に乗り出す

ダナン市で開かれる予定のAPEC国際フォーラムに向けて、加盟11カ国はTPP交渉の進展に意欲を見せています。

多国間の相互合意に向けた重要なポイントで坐礁に乗り上げた感のあるTPP交渉について、ASEAN加盟国は代替え案で先に進めることに熱意を示しています。

国営メディアによると、政府は代替え案の合意に希望を持っていると伝えています。理由は明白です。ベトナムは加盟12カ国の中で最も貧しい国で、TPPによって国内産業が得る恩恵は同国が最も大きいと目されているからです。

ベトナムは2007年にWTOへの加盟が認められたことで、従来の旧態的な秩序と経済的孤立から脱却し、多国間の貿易へと船出しました。

ドイモイ政策-1986年に始まった経済開放と改革の夜明けーはアメリカによる経済封鎖が終わり芽吹き始めたこの国策はに続いてのTPP開始は、ベトナム経済改革の大きな第二段階となり、20年ぶりに驚異的な国益をもたらすと見られていました。

ソビエト崩壊により取引先を失ってからというもの、1990年から長い年月を経て家具・衣服・靴・海産物・米・香辛料、近年ではIT機材やソフトの輸出大国になれるかも知れないのです。

ベトナムビジネスフォーラムでは、経済開放と成長を望んでいた人々はドナルド・トランプ米大統領がTPP交渉撤退の公約を曲げないことに失望しています。そこでこれを補う他の策を考え始めました。注目したのが2月に有効となったTFA(WTOの合意)で、ベトナムー
韓国間のFTAやASEAN-中国間のFTAがベトナム経済に効果をもたらし始めています。

その他のWTOの合意事項もTPP棚上げのダメージを和らげるかも知れません。
2007年ころはまだベトナム政府が手を出せなかったWTOとの約束事項をフルに活用するなどの手はあります。海外製品を国内に配分する時の無駄な行政手続の軽減などは、その一つです。

国内産業育成策では、インフラ整備についてはフランス資本の鉄道整備は必要不可欠の目玉事業で成功させなければなりません。更に停滞の要因となり時に腐敗にさえ繋がる国営企業の縮小も、実行計画の工程に載っています。

ASEAN経済共同体が地域間の経済融合のロードマップを実行すれば、ベトナムも利益を得ます。すでに東南アジア諸国連合は対アメリカ輸出の最大地域となっていますが、更なる地域間の融合はベトナムの企業にとって更なる勢力拡大の起爆剤になるかも知れないのです。

もう一つ国際的な相互合意として、EU-ベトナム間のFTAと、地域間包括的経済協力(RCEP)があります。後者にはインド・中国・オーストラリア・東南アジアの大半の国が含まれています。

ベトナムにあるアメリカ商工会議所はかつて、RCEPとTPPが米中間貿易で相反すると分析したことがあります。前者は中国が主要なメンバーでアメリカを除外し、後者はアメリカが主導して明らかに中国を排除しようとしていました。ベトナム国営メディアはRCEPがフルに機能し、TPPが失敗すれば「アメリカは徐々にアジアを中国に手渡してしまうだろう」と述べています。

さらに、トランプ大統領は多国間貿易よりも2国間貿易を優先させる考えで、アメリカはベトナム都のFTAを望んでいます。アメリカは連続で年間32億ドルもの貿易赤字をベトナム相手に被っており、この6番目に悪い相手との取引を「アメリカ・ファースト」主義の元で減らしたいのです。

結局TPPはオーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ペルー、シンガポール、ベトナムで交渉を再開し、ニュージーランドの新首相・アーダーンがTPPを支持し取引を行うと表明しました。不動産投機の自由化を除くことを条件に。彼女は来月の首脳会議で基本合意を目指して活動すると明言しました。

ベトナムはこの代替案の遂行を望み、8月のシドニーサミットで議論され、来たるダナンでのAPECサミットの議題になることを願っています。例えばこの取引が実現すればベトナムが大量生産する水着の関税が9.5%下がり、まさに経済成長の起爆剤になるのです。

アメリカ抜きの太平洋諸国間の取引は、ベトナムにとって厄介な足かせを外す旨みもあります。例えばアメリカは労働者の地位向上を主張して労働組合の合法化を迫っていました。しかしオバマ政権が集結した今では、必須の課題ではなくなったのです。

ベトナムの労働者にとっては名を捨て実をとるように見えます。アメリカの介入がなくなりベトナム国内議会が主体になれば、この問題は扱い易くなるでしょう。ベトナム政府は貿易労働組合の主権性をいずれ認める約束をしていますが、大半は実現しないと思われます。

11カ国におけるTPP合意への最大の課題の一つは、TPPは最低でも6カ国の賛成がないと有効にならないことです。従来のの12カ国のGDPの85%以上という条件もクリアしなけれななりません。アメリカだけで60%を占めていましたから、このハードルはいかにも高いですね。日本は残り11カ国の半分近いGDPを保っていますので、この問題解決の大きな鍵を握ります。

日本もまた、中国がアメリカを排除して独自の協定を結び、アジアの主導権を握っては都合が悪いのです。日本にとって、かつてはアメリカが主導していたアジアの公益で中国を勝ち組にしないためにも、11カ国の貿易協定は魅力的なのです。日本の安倍総理大臣はベトナムに対して「TPPに向け一つになるべき」と述べました。しかし、ベトナム、マレーシア、シンガポールは中国を刺激しないような取引へと動いています。

グエン・スアン・フック首相は3月31日、アメリカ大統領執務室でトランプ大統領と会談し、2国間取引について話あい、FTAの基本合意に好感触を得ました。

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ベトナムとリトアニアが連携強化

ベトナム副大統領のダン・ティー・ゴク氏は現地時間10月23日リトアニアのダリア・グリバウスカイテ大統領と会談し、経済・投資などの協力関係の強化に合意しました。

10月22日-24日の間リトアニアを訪問していたベトナムの指導者は、これまでの国連やユネスコ、欧州アジア会議等における両国の連携を確認しました。

彼女はEUとベトナムの関係強化と自由貿易協定(EVFTA)の早期合意に向け、リトアニアの協力を要請しました。そしてティー副大統領はリトアニアで暮らすベトナム人の待遇改善を依頼しました。

一方グリバウスカイテ大統領は産業再生・新事業・エネルギー・廃棄物の扱い・木材加工などの密接な協力を提案しました。

二人の指導者は即座に協議に入り経済と教育分野の同意を目指すこととし、二酸化炭素の削減や外交官の入出国の自由化などを通じて両国間の垣根を近い将来取り払います。

リトアニアのスポークスマン・プランキティー氏によると、ティー氏はベトナムが海外の投資を集めるべく産業を育成し、リトアニア企業も積極的に誘致する方針です。またベトナムは農業・水産業がリトアニアに進出することを望んでおり、その道を開くためにリトアニア製品の輸入を強化するとも言及しています。

プランキティー氏は更に、両国の経済・教育交流に加え関税を下げて食品・IT・木材・人材交流の活性についても期待しています。彼はASEANとEUの協力関係を評価し、EVFTAなどのベトナムとEUの関係強化を後押しすれば、双方に経済効果がもたらされると述べました。